Japan
Back
ウエスタンレッドシダーは、人工の素材と比べて見た目が美しく、汎用性が高い特徴があります。しかし、 その魅力は決して外見だけではありません。他にも、知っておきたいウエスタンレッドシダーを選ぶ利点がたくさんあります。例えば、住宅の建材に合成材ではなく天然木材を選ぶことで、地球だけでなく自分の財布にも優しい効果を得ることができます。ある研究結果では、以下のカテゴリーにおいて木材が鋼、コンクリートおよび合成材よりも優れていると証明されています。
木材製品は、コンクリートや鉄鋼よりも生産の際のエネルギー消費がはるかに低くいのが特徴です。これは、木枠、鉄骨、コンクリートの住宅用の建築材それぞれを入手、製造、輸送、および設置する際に必要なエネルギー量を比較した調査にも裏付けられています。この調査結果から、木材がその他の素材と比較して全面的に環境的に優れていることを示しています。さらに、木材は自然な保温特性を持っているため、家の暖房や冷房においてさらに電気代の節約に繋がります。
木材は、世界で唯一の再生可能な建築材料としてリサイクルできるだけでなく、再生も行われています。実際、木材生産者が過去数十年の間に伐採された樹木を補うために新しい木を植樹することで、1970年以来北アメリカの森林は20%増加しています。一方、人工の素材は分解することしかできないため、埋立地やオゾンホールの増加に繋がっています。
木材製品の製造は、主な人工素材の製造よりも、生成される毒素や温室効果ガスが大幅に少なくなります。つまり、木材は空気と水質への影響度が最も低い素材なのです。これは、リサイクルされた鋼の製造時と比 較すると、その差は顕著な結果となります。また、森林再生により、二酸化炭素を取り込んで酸素を排出する量が増えるため、環境に有益な効果を与えます。
詳細に関しては、リソースライブラリーをご覧いただくか、Go Greenのパンフレットをダウンロードしてください。
北米で使用されているエネルギーの3分の1は、建物の冷暖房に使用されています。エネルギーのほとんどは、温室効果ガスを排出する再生不可能な化石燃料から作り出されるため、建物内のエネルギーの使用量を削減することにより、環境への影響を低減することができます。これは、低エネルギー照明や自然換気を使ったり、冷暖房の使用を最小限に抑えることで実現することができます。特に建物の材質と構造は、冷暖房の使用を最小限に抑えることに大きく影響します。
木材は他の素材と比較して非常に優れた断熱性があります。カナダの国立研究評議会、およびオークリッジ国立研究所で行われた実験では、軽金属造りの壁の有効熱抵抗(R値)の大幅な低下、エネルギー使用量の増加 が見られます(図1)。一方で木造では、高い基準の断熱性が簡単に実現されています。実際、多くの北極用の建物で木材構造が採用されています。
また木造の場合、あらゆる面でエネルギー削減に繋がるため、木造の家屋、オフィス、学校、およびその他の商業用および工業用建物は、暖房と冷房のエネルギー使用量を抑えることに役立っています。
木材のエネルギー効率の利点の詳細については、 軽金属構造の熱性能に関する記事をご参照ください。
建物の設計で生じる環境への影響を考える際には、空気、水および土壌の品質への影響を考えることができます。これは、排水、固形物や化学薬品の廃棄物を最小限に抑えることだけでなく、建物で使用される材料の製造による汚染を最小限に抑えることも含まれます。
しかし、設計者にとって、使用する素材の抽出、製造、現場への輸送中に大気汚染や水質汚染を引き起こすかどうかは、建築作業とは別に離れた場所で行われるため、判断が困難です。コンクリートの製造においてCO2が排出され、製鉄の製造において有毒化学物質が水中に放出されることは知っていたとしても、これらの影響を評価する手段を持っていません。ですが、「ライフサイクル分析」という新しい科学を使うことで、設計者は素材が環境に及ぼす影響を評価して比較することができます。
実際にカナダでは、ATHENA™持続可能素材研究所(ATHENA™ Sustainable Materials Institute)が、建築物が環境に与える影響を評価するためのデータベースとコンピュータプログラムを開発しました。米国では、連邦政府がATHENA™持続可能素材研究所(ATHENA™Sustainable Materials Institute)率いるプロジェクトの第1段階に資金を提供しています。
ATHENA™のライフサイクル研究とヨーロッパの同等の研究により、木材は他の素材よりも空気、水または土壌の汚染を最小限に抑えるという、設計者の直感的な知識が実証されることになりました。この研究では、木材の使用によって得られる利点を以下のようにまとめています。
鉄鋼またはコンクリートよりも温室効果ガスの排出量が少ない鉄鋼またはコンクリートよりも空気汚染が少ない鉄鋼またはコンクリートよりも水質汚染が少ない鉄鋼またはコンクリートよりも固形廃棄物が少ない次のセクション「建築設計へのライフサイクル分析アプローチ」では、ライフサイクル分析についてより詳細な説明および、木質建材が他の主要建材と比較して環境への影響が最も低い理由について説明します。
総エネルギーには、材料の抽出、製造、輸送、および設置に使用されるすべての直接的および間接的に消費されるエネルギーが含まれます。この考え方では、設計者が管理する建築のプロセスだけでなく、材料の製 造に使用されるエネルギーも含んだエネルギー消費減少を目的としています。これは、ライフサイクル分析が役立つもう一つの領域です。
木材の製造にはエネルギーがほとんど使われないため、遠くから運送されたとしても、地域で製造されたコンクリートよりも使用するエネルギー量は少なくなります。ライフサイクル分析の比較を見ることで、木材が最も総エネルギーの消費が少なく、この考え方に沿った優れた選択肢であることを示しています。
この考え方には、使用される資源の量、特に再生不可能な資源の使用量を減らすことで、資源の枯渇を減少させることも含まれます。
木材は再生可能な唯一の主要な建材で、カナダの管理された持続可能な森林から十分な量が供給されます。また新しい製造技術により、木のすべての部分を無駄にせず使用することが可能になっています。高度に加工された木製品では、成長の早い樹木を使っており、木材の大部分を使わずに強力な製品に仕上がっています。さらに、トラス構造などの設計構造を使うことで、建材の使用量を削減しながら、構造物を構成することが可能です。
また木材は耐久性にも優れています。そのため年月が経っても交換の必要がありません。ノルウェーの教会や日本の寺院は千年以上もの耐久性を誇ります。北アメリカでは、いまだに使用され続けている16世紀に建築された歴史的な木造建築物が多くあります。実は、エンパイア・ステート・ビルディングの基盤でさえ、木の杭に支えられているんです!
実際、木材は耐久性があるだけでなく、廃棄木材を再利用して建てられた新しい建物の例も多くあります。これ は木材の消費量を削減する究極の方法です。たとえ新しい木材を使用した場合でも、木材には他の材料よりも多くの利点があるので、安心して使えます。木材は、再生可能な唯一の主要な建材であり、150年間伐採された後もカナダの森林基盤が豊かな理由にもなっています。木材は天然素材であり、生分解性があり、リサイクル可能で、カナダの管理された持続可能な森林にて伐採されます。
この環境に優しい建物を建てる考え方には、屋内環境の健康についても考慮しています。
木材は天然素材であり、木造建築には何世紀にもわたって実証済みの性能があります。そのため、(構造的で)機能的な用途に使えるだけでなく、その美しさから仕上げ材としても使うこともできます。木造は建築はその素晴らしい利点を発揮することができ、木材の床はほこりや微生物がたまりにくいことでも知られます。また、「はり」に使用される高度に加工された木製品では、アレルギーの原因とならない接着剤を使って作られています。
環境に優しい建築評価システムは、ますます色々なところで適用されています。木材は天然で再生可能な素材であり、環境に優しい建築評価でもその優れた性能が証明されています。カナダの木材は、環境に優しい建築評価の要件を満たしており、他の素材と比較してもあらゆる面で優れています。木材はエネルギー使用を削減し、屋外および屋内の汚染を最小限に抑え、持続可能な環境で生産される唯一の素材です。木材は、環境に安全でかつ安心できる住宅や建物を建築するために最適な選択肢と言えるでしょう。
詳細については、以下をご覧ください。
環境建築ニュースwww.buildinggreen.com
カナダ木材協議会(Canadian Wood Council)www.cwc.ca
LEED™(エネルギーと環境デザインにおけるリーダーシップ)グリーンビルディング評価システムwww.usgbc.org/LEED/LEED_main.asp
© 2024 All rights reserved
Gatsby Website Development by Jambaree